トタール・シューン

ドイツ語を勉強しにドイツへやってきたニートの日常などです。

アボカドを育てる

わたしは少しの間、ドイツのお寿司屋さんで働いていました。

海外のお寿司は日本のものとは少し違っていて、「寿司」といえば握りではなく巻きなのです。

そして具が一種類程度の細巻きや数種類の具が巻かれた中巻き、太巻きではなく、いわゆるカリフォルニアロールのような海苔が内側、お米が外側になっている巻きずしがポピュラーです。

寿司を醤油につけて食べるという基本的な部分に関しては日本と同じですが、そもそもお寿司自体にソースがかかっていることがほとんどです。そのソースに加えて、醤油皿に寿司をダイブさせて食べるのがドイツ流です。(たぶん)

 

余談ですが、家で寿司パーティーをしたとき、用意していた酢飯がなくなってしまい急遽お米を炊き、すし酢を混ぜずに食卓へもっていったところ誰にも何にもいわれなかったので、もしかしたら寿司=酢飯というのもドイツではあまり知られていないのかもしれません。

 

大いに話がそれてしまったのですが、要するに日本の寿司と海外の寿司は結構違っていて、ドイツではとにかく寿司にアボカドが使われることが多いのです。ベジやビーガンの寿司の取り揃えについてはどのお寿司屋さんでもデフォルトなので、お魚の代用として、サーモンのお供としてたくさんのアボカドたちがドイツのお寿司屋さんでは消費されているのです。

 

ってなわけで、お寿司屋さんで働いていると日々捨てられてゆくアボカドの種をいやでも毎日目撃してしまうわけです。

植物の種子にまで情がわいてしまうほどわたしは情の深い人間ではないのですが、まるまるとした大きなアボカドの種を見ていると「こいつらにも土にうめたら根を張って芽を出すポテンシャルがあるのかなあ。捨てられていくのもったいないなあ。」などと思えてきてしまい、どちらかといえばもったいない精神でアボカドの種をお寿司屋さんから数個救出し我が家で育て始めたのです。

我が家にはベランダがありません。なので完全室内での栽培です。水耕栽培から始め、根と芽が出てきたタイミングで土に植え替えました。

2023年3月10日の様子

2023年6月25日の様子

 

植物に関してはずぶの素人だったのでアボカドたちのためにも栽培を始める前にいろんな人のブログを読んだりし、それを実践してはみましたが我が家のアボカドは元気いっぱいとはいえない様子。

2023年10月17日の様子

ひょろひょろと上にばかり伸び続ける幹、新しい葉っぱを頭からはやしては、下のほうの葉っぱを次々と落としていくアボカドたち。果たしてこれが健康で一般的な姿なのかも判別つかず、なんとなく枯れていきそうな雰囲気はなかったのでしばらく放置してしまいました。数か月たったのちも相変わらずで、てっぺんから新しい葉をだしては生やした分の葉っぱと同じだけの古い葉を落とす日々。冬で日照時間少ないなか、まあしょうがないかと傍観していたわけなのですが、さすがにこれ以上”上にだけ”成長していってしまうと、家の中だけでは管理しきれなくなりそうだったので剪定をしてみることにしたのです。

剪定についてもユーチューブで実際のシーンを見て予習しました。生きている植物をハサミで切るというのは、植物初心者としては、初めてセルフでピアスを開けたあの日の気持ちが呼び起されるような、妙なドキドキ感があったのです。

手始めに特にひょろながだったアボカドだけにハサミを入れてみることにしました。ちなみに我が家は最上階ということもあって冬でも日中20度くらいあるので春を待たずの実行となったわけです。

 

 

今日の様子

現在のアボカドです。どうでもいいですがこいつの名はアボです。

今までの葉っぱしかでてこない新芽とは違って、枝になっていく少し太めのブツがにょきにょきし始めました。葉っぱを2枚だけ残して切ったので、少ない葉っぱで新しい枝が出てきてくれるかの不安はありましたが、剪定後数日で枝の赤ちゃんがもっこりしてきたのでよかったです。ひとまず葉っぱを増やしてもらって、太陽いっぱいの時期に備えてほしいなというところです。

ほかのアボカドたちもいずれは剪定して観葉植物として部屋で映えるいい感じの樹形をめざしていければと思う所存です。

アボカドの先輩たちからのアドバイスは随時受付中です。よろしくお願いします!